下地のお話
当店にご来店頂くお客様の多くが、2ヶ月前、3ヶ月前にご相談にみえられます。
ご新築の住まいが、まだまだ建築中の方が多いのですが、中にはほぼ完成されるころに相談に来られて、すっかり壁まで出来てしまっている方もいらっしゃいます。
人気の上飾り(バランス)や、バルーンシェードを初めとするローマンシェード類。
重量のあるウッドブラインドなどをご希望されるお客様は、是非壁が出来てしまう前に、設計の段階から「窓の上に下地を入れてください。」と、お願いして頂く事をお薦め致します。
さてさて、壁の中はどうなっているのでしょう。
断熱材などは色々ですが、こんな感じです。
こちらの画像には、下地はありません。
これに下地板を入れて頂くと、こんな感じになります。
窓の上部の横木をまぐさと言います。
窓の左右にある縦の柱の間に、間柱(まばしら)が入っています。
まぐさの上に、下地板を入れて頂きました。
この画像の下地板は10cmくらいでしょうか。まぐさと合わせて
13~4cmくらいです。
下地板が無い場合には、まぐさに取り付けるか、間柱を探して取り付けます。
でも、このような場合には、間柱が窓の中央にしかありません。
このくらいの大きさの窓には、カーテンでも、シェードでも、取付金具(ブラケット)は2個使いますが、窓の両端の上部には、柱も間柱も、下地板もありません。
仕方なく中央の間柱にビスを効かせて、両側上部はアンカーなどの下地が無い場合の取り付け部品を使う事になります。
こちらの画像は、輸入住宅などに多い、塔屋建ての小窓です。
両側の小窓の上部には、なんとか間柱が両角の上部に2本ありますので、そこにつけられそうです。
でも、中央の窓の上部は、先ほど同様に、真ん中に一本しかありません。
デザインカーテンの上飾りや、バルーンシェードなどの場合には、
窓の上部20cmくらいの所に付けるのが理想的です。
その為、窓の上部には、先ほどまでの事例写真のように、理想的な位置に間柱などが無く取り付けたくても、取り付けられない場合があります。
理想的な下地
その為に、窓の上部にしっかりとした、下地板を、窓枠上20cmくらいは入れて頂くようにお願いすれば、先々にでも、どんな物でも安心して取り付ける事が出来ます。
こちらの写真は、窓上20cm程、下地板を入れてある事例です。
(2×4と言う工法では、上のまぐさがこの様に巾が広い物が入っている事が多いようです。)
もっとも良いのは、窓の上から、天井までの間に全部下地板を入れて頂くのが一番理想的です。
壁が出来ると下地は見えなくなります。
こちらの画像は、石膏ボードが貼られた後ですので、下地のまぐさ、間柱、下地板はもう見れません。
ただ、パテ埋めしてあるところがビスの頭などです。
また91cm巾の石膏ボードの繋ぎ目には柱がありますので、目安にはなります。
更に、クロスを貼られた後では、ビスの頭も、石膏ボードの繋ぎ目も見れません。
その場合には、センサーで柱などを探し、ビスの頭を磁石で見つけ、ワンプッシュと言う、細い針の出る下地探しの工具で下地があるかどうかの確認をします。
特殊な窓
上部が半円形になっている窓があります。
こちらの下地は、こんな感じです。
こちらの事例のように、下の普通のサッシ部分と、上部の半円の間に
下地板が入っている場合には、半円窓の下にレールを取り付けられる場合がありますが、下のサッシと、上部の半円部分がパッケージのようになっているサッシでは、間にレールが付けられません。
半円窓の上部につけようと思っても、こちらの事例のように、半円窓の両側が、窓の巾よりも狭くなっている場合には、レールを付けたくても付けられません。
こちらの写真のように、石膏ボードが貼られる前に写真を撮っておかれると、色々な判断が可能です。
マンションなどの鉄筋コンクリート建築
マンションなど、壁がコンクリートで仕上げてあり、
GL工法と言う手段で仕上げられる事が多いようです。
その内装材の石膏ボードなどは、「GLボンド(せっこう系接着材)」でコンクリートと石膏ボード系内装ボードを貼り付けて仕上げるので、木材の柱などが使われていない事があります。
このおダンゴ状の塊がボンドです。
下地探しなどで、探ってみると手ごたえなどはあるのですが、実際には、ビスが効きません。
その為、マンションなどでは、どこにでもカーテンがつけられる訳ではありません。
また、賃貸系の住宅では、壁の中に下地があったとしても、規約上好きな所にビス穴を開けられない事が多いようです。
この様に、色々なケースがありますので、ご新築などの場合には、建築段階の早めに
「下地を入れてください」と、お願いされる事がおすすめです。